釣り針を飲み込んだカイツブリ



ここで公開する事例は、宮崎県で動物病院の院長を長年営んでおられる玉田弘嘉先生が経験されたものです。先生のご厚意により、以下に紹介させていただきます。

野鳥種:カイツブリ 雄雌不明
保護日時:平成9年11月21日
保護場所:宮崎県高鍋町の海岸
保護者:一般の人が保護したものを所轄官庁を通じて玉田動物病院に搬入。
保護時の状況:カイツブリを思われる鳥に釣り糸が絡まって弱っているところを保護した。
詳細:口から釣り糸が50センチ出ており、針を飲み込んでいると思われた。



カイツブリの全景


レントゲン写真(体内の針がはっきりと写っている)


摘出手術を試みたが、手術中に死亡。解剖の結果、筋胃に大きな釣り針が食い込んでいた。また、胃中にはゴム紐状のもの(輪ゴム?擬餌?)が充満していた。異物はかなり変質しており、燕下後かなりの日時を経ている物と思われた。


玉田先生のコメント:長年獣医師をやっておりますが、釣り糸に絡む症例には時々お目にかかります。今回のはきちんと証拠を残してくれました。命は救ってやれませんでしたが、死を無駄にしたくありません。今後一羽でもこのような惨禍に巻き込まれない様に少しでも役だってくれれば良いと思っています。

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