報道にみる野鳥おじさんの活動 (2001 〜 2002)

  • 『釣り糸捨てないで』  朝日新聞 '01. 2. 28

    27日、尼崎市武庫川町の武庫川をパトロールしていた松阪さんは、釣り糸と引っ越しなどに使うビニールひもが足に絡まったハト二羽を見つけ、糸やひもを取り除いて救出した。9日には、小松東町の同川で、左足に長さ5mのたこ糸が絡まったまま飛んでいるユリカモメを目撃している。武庫川周辺では、これから暖かくなると、釣りやたこ揚げなどをする人が増え、松阪さんは「鳥たちの被害も増えるのでは」と心配する。

  • 『朝日・阪神支局襲撃事件 時効まで1年』  毎日新聞 '01. 5. 4

    3日で時効まで1年になった朝日新聞阪神支局襲撃事件。西宮市の同支局などに設けられた礼拝所で犠牲になった小尻知博記者(当時29歳)をしのんだり、言論の自由を考える集会でジャーナリズムについて話し合うなど、街は事件解決を祈る市民の声であふれた。阪神支局1階に設けられた礼拝所には市民らが次々に訪れた。小尻記者が、釣り糸の絡まったハトの群れをとりあげた記事をきっかけに生まれた市民グループ「釣り糸から野鳥を守る会」の松阪さんは、事件の風化を防ぐため、事件翌年から毎年、保護したハトを放している。松阪さんは「事件への関心が薄れているのを感じる。最近、反社会的行動をとる若者の事件も目立つ。なんとか事件を解決してほしい」と話す。

  • 『野生生物保護功労者表彰に西宮・松阪さん』  朝日新聞 '01. 5. 15

    野生生物保護の活動に取り組んでいる人を対象に、日本鳥類保護連盟から贈られる「野生生物保護功労者表彰」に、釣り糸から野鳥を守る会の松阪さんが選ばれた。伝達式は愛鳥週間中の13日、姫路市の市自然観察の森・ネイチャーセンターであり、松阪さんは県内でただ一人表彰された。松阪さんは「活動は獣医さんら多くの人の支えのおかげ。今後も活動を続け、野生生物保護の大切さを訴えていきたい」と話していた。

  • 『家族連れ貝拾い人気 水質良くなった甲子園浜』  朝日新聞 '01. 5. 17

    阪神間では数少ない砂浜のひとつ、西宮市の甲子園浜が貝拾いを楽しむ家族連れらでにぎわいを見せている。水質が改善されたことが影響し、アサリなどの貝が増えているらしい。行楽を過ごす意外な穴場として人気を呼んでいる。松阪さんは今月初旬、同市浜甲子園付近の甲子園浜で貝拾いを楽しむ大勢の家族連れの姿を見かけた。貝はほとんどがアサリで、大きいものは赤ちゃんのこぶし程度だった。バケツにいっぱい取った人もいたという。「甲子園浜で貝拾いが出来ると評判になり、年々人出が増えているようだ」と松阪さん。菊池貝類博物館の菊池典男館長は「貝が増えているのは喜ばしい。今年は隣の香枦園浜でも増えており、河川がきれいになって海岸の水も浄化されたためではないか」と話す。

  • 『ハト無惨 腐る脚』  毎日新聞 '01. 9. 5

    片脚にビニールひもや布が巻き付けられているハト10羽が、西宮市甲子園春風町の春風公園で見つかった。2重3重に固く結ばれ、脚が腐って落ちそうになっていたハトを保護した松阪さんは「15年間、野鳥を守る活動をしているが、こんな大掛かりで悪質ないたずらは初めて」とショックを受けている。釣り客のマナー向上で釣り糸の被害は減っているが、逆に矢を射ち込むなどのいたずらが最近、目立つという。

  • 『シベリアから冬の使者』  毎日新聞 '01. 10. 10

    西宮市・香里園浜に、冬の渡り鳥、ユリカモメ約100羽がやって来た。夏を過ごしたシベリアから約3000キロの旅を終え、高層住宅群をのぞむ砂浜で、ゆったりと白い羽を休めたり、魚をついばんでいる。撮影した松阪さんは「去年は捨てられた釣り糸でけがをして、シベリアに帰れないユリカモメが10羽いました。渡り鳥が無事に過ごすためにも、浜辺や川をきれいに利用してほしい」と話している。

  • 『ユリカモメにむごい脚輪 針金でぐるぐる巻き いたずらか』  読売新聞 '01. 10. 30

    西宮市の夙川河口に飛来した渡り鳥ユリカモメの中に、脚に針金が絡まり、痛々しい姿をしている一羽が見つかった。松阪さんが今月二十五日朝、右脚に針金がぐるぐると巻き付いたユリカモメを発見。パンくずで呼び寄せ、捕まえて取り外そうとしたが、逃げてしまったという。松阪さんは「自然に巻き付いたとは考えにくい。ユリカモメは泳ぎながら小魚を捕って生活しており、針金のせいで不便なはず。とがった部分が危険そう」と心を痛める。

  • 『釣り針足に、絡むルアー 泳げない』  毎日新聞 '01. 11. 13

    釣り針が足に突き刺さり、ルアーをひきずっているユリカモメがいるのを、松阪さんが武庫川河川敷で見つけた。ユリカモメは泳げなくなっているだけでなく、ルアーを本物のえさと間違えた他のユリカモメに追いかけ回されるため、どんどん衰弱している。

  • 『傷つくユリカモメ続出』  毎日新聞 '01. 12. 13

    釣り針や釣り糸、ルアーで傷つくユリカモメが続出している。ユリカモメは警戒心が強く、治療のために捕らえるのが非常に難しいといい、「釣りの後始末を徹底してほしい」と訴えている。松阪さんは10日午前10時半ごろ、西宮市大浜町の海岸で、釣り糸が体に巻き付いて飛べなくなったユリカモメを発見。パンでおびき寄せるなどしてようやく捕獲した。動物病院で診てもらったところ、釣り糸が2本も刺さっていたという。松阪さんによると、今冬は例年になく増えているという。

  • 『野生化した「巨大怪物ネズミ」が餌付けされちゃった』  FRIDAY '01. 12. 21

    ボク、ヌートリア。ネズミの仲間だけど体長70cmくらいあるから見たらビックリするよ。ボクの先祖、南米に住んでたんだけど、・・・--->写真

  • 『ユリカモメ悲痛 武庫川で約10羽確認』  読売新聞 '01. 12. 27

    松阪さんは10月中旬以降、シベリアから飛来したユリカモメ約十羽がルアーにからまり自由に動けなくなっているのを発見。今月上旬には、長さ約十センチのルアーを脚につけたまま飛んでいるユリカモメを見つけた。中旬には、くちばしが折れたユリカモメを保護、獣医師に見せたところ、くちばしの傷などから、からまったルアーを外そうとして折れたらしい事がわかった。松阪さんは「自分の道具を大切にする気持ちもなくなっているのでしょうか。捨てられたルアーが鳥にとってどれだけ迷惑なのかを考えて」と話している。

  • 『楽園目指し渡ってきたのに』  毎日新聞 '02. 1. 12

    優美な黒の冠羽を持つ冬の渡り鳥・ウミアイサが釣り糸を飲み込み、武庫川河川敷でうずくまっているのを11日、松阪さんが見つけた。ウミアイサはガンカモ科で、冠羽と赤い目とくちばしが特徴。通常、海岸に群でいるが、松阪さんが見つけた時は、口から釣り糸をのぞかせた一羽がぐったりとしていた。松阪さんが治療のため、捕獲しようとしたが、川に逃げてしまった。松阪さんは「あの様子では痛くて、魚も食べられないだろう」と心配している。

  • 『19年前に調査で放す ユリカモメ長寿“目撃”』  朝日新聞 '02. 2. 4

    冬の渡り鳥が数多く飛来する武庫川河川敷で、生態調査のために19年前に足輪をはめて放されたユリカモメが目撃された。研究者によると、ユリカモメは生後4,5年で半数近くが死んでしまうといわれ、これほどの長寿は珍しいという。松阪さんが2日午前9時半頃に見つけてカメラに収めた。左足に縦に「89」と刻印された足輪をはめていて、83年3月16日、京都市鴨川で生態調査のために放されたユリカモメと同じ鳥とみられるという。

  • 『命の重み 未来の担い手に』  朝日新聞 '02. 2. 24

    松坂さんは毎日2回、西宮市の自宅から自転車で武庫川河川敷や夙川河口、甲子園浜などに出かける。マナーの悪い釣り人が捨てた糸やビニールひもなどを拾い集め、足に糸やひもが絡まって傷ついたハトやユリカモメを見つけては保護する。17年前に教師を退職してから続けてきた。--->記事へ

  • 『バリケン、助けて』  毎日新聞 '02. 3. 20

    宝塚市の武庫川河川敷に、南米原産の「バリケン」という鳥がいるのを、松阪さんが見つけた。普段は武庫川周辺に生息している鳥ではなく、カラスに突かれるなどして徐々に弱っているという。松阪さんは「飼っていた人が飼えなくなって放したのではないか。なんとかしてやりたい」と話している。バリケンは東南アジアでよく飼育されているアヒルの一種。羽は黒と白の2種類で、顔が赤いのが特徴。鳴き声はほとんど出さず、メスは飛び回るが、オスはほとんど飛ばない。17日には30羽近くいたが、18日には十数羽に減っていたという。カラスに突かれて死んだと見られるバリケンが2羽見つかっており、少しずつ弱ってきているらしい。松阪さんは「近付いても怖がらないし、逃げない。どこかで飼われていたのではないか。カラスの標的になっており、なんとか助けてやりたい」と話している。(読売、朝日(3月23日付)にも同様の記事が掲載された)

  • 『哀れユリカモメ 西宮の海岸うろうろ』  毎日新聞 '02. 4. 22

    釣り糸を飲み込み、生の魚をぶらさげたまま、ユーラシア大陸に帰れなくなっているユリカモメを松阪さんが、西宮市西波止町の海岸で見つけた。見つかったユリカモメは、釣り糸を飲み込んだうえ、首にも巻きつき、釣り糸にかかっていた生の魚を口元にぶらさげたままの無残な姿だった。冬鳥のユリカモメはほとんどがユーラシア大陸に帰っていったが、この鳥は口が閉まらなくなって飛ぶことができず、海岸をうろうろしているという。頭部はすでに夏羽の黒に変わり始めている。松阪さんは「この冬は例年より、釣り糸に傷ついたユリカモメの数が多かった。暖かくなるとともに釣りをする人が増え、被害がさらに広がるのではないかと心配だ。釣り糸や釣り針は後片付けを徹底して、このようなかわいそうな野鳥が二度と出ないようにしてほしい」と話している。

  • 『小尻記者の“無念”共有』  毎日新聞 '02. 5. 4

    朝日新聞阪神支局襲撃事件の公訴時効が成立した3日、小尻知博記者(当時29歳)を追悼する集会やイベントがあった。参加した市民は「自由な言論を守ろう」「暴力には屈しない」との思いを新たにした。「釣り糸から野鳥を守る会」のメンバー5人が阪神支局を訪れ、遺影に手を合わせた後、平和への願いを込めてハトを放した。16年前、釣り糸が足に食い込んだ野鳥を小尻記者が記事で紹介したのをきっかけに「釣り糸から野鳥を守る会」が発足。毎年5月3日に同支局でハトを放している。同会の松阪さんが、5羽のハトの足に絡みついた釣り糸を取り出し、会員が一斉に放鳥した。(同様の記事が各紙に掲載された)

  • 『伊丹・昆陽池で鳥7羽「変死」』  朝日新聞 '02. 6. 4

    現場は昆陽池内の一角にある給餌池。食べ残したえさによる水質悪化をくい止めるため、本池と堤防で区切られている。白鳥4羽とアヒル4羽がぐったりしていた。夕方までアヒル1羽を除く、7羽が死んだ。市公園管理事務所の藤田和伸所長は「公園には40羽ほどの白鳥がいるが、これだけ大量に亡くなるのは初めてのことだ。みつけたときは、手の施しようがない状態だった」とうなだれた。外傷はなく、子音は今のところ断定出来ていない。いたずらの可能性もあるが、毒性を持つアオコが原因ではないか、という見方もある。

  • 『死因究明へ肝臓も調査』  朝日新聞 '02. 6. 20

    伊丹市の昆陽池で今月初め、白鳥やアヒル計8羽が変死した事件で、伊丹市は、同池の毒性アオコの研究で知られる木村行男・武庫川女子大名誉教授に、死因究明のための調査を依頼することを決めた。19日の市議会建設環境常任委員協議会で明らかにした。8羽の死因については、県警科学捜査研究所が血液などを調べたものの毒物やシンナー類は検出されず、今も不明のまま。このため、市は協力を申し出た木村教授に毒性検査を依頼することにし、死んだ白鳥の肝臓と昆陽池の水を提供した。(サイト管理者より・・・この事件は95年の毒性アオコ事件に類似しており、今回も舞台裏で松坂さんが動いています

  • 『猛暑越せるか』  毎日新聞 '02. 7. 26

    春にシベリアへ帰ることができず、日本で夏を過ごすことになってしまったユリカモメを、松阪さんが西宮市の夙川河口で見つけた。釣り糸がくちばしに刺さっているのか、痛々しい姿に松阪さんは「餌の小魚がとれず少しずつ弱っている。夏を越せないのではないか」と話している。松阪さんは「パンの切れ端をなげてやるとこわごわ近づいて食べるが、小魚がとれないと、どんどん弱っていく。夏の猛暑に耐えられないのではないか」と話している。

  • 『武庫川でニワトリ保護』  朝日新聞 '02. 9. 2

    西宮市戸崎町の武庫川の中州に2羽のニワトリがすみついているのが8月中旬に見つかった。2羽のニワトリは、体長約60センチ。羽は赤茶が混じった白色。武庫川の河原を散歩する人たちの間で、「川の中州の方からコケコッコーと鳴き声がする」とうわさになっていた。松阪さんらが8月22日、水かさが減り、陸続きになった中州の草むらの中にいる2羽を確認した。26日になってようやく市環境保全課の職員が捕まえた。松阪さんは「夜店などで買ったヒヨコを飼いきれなくなった人が捨てたのでしょう」と嘆く。現在、甲子園警察署でおりにいれて飼育している。

  • 『冬鳥飛来』  毎日新聞 '02. 10. 3

    西宮市の鳴尾浜に、冬の渡り鳥、ヒドリガモやコガモが姿を見せ始めた。浜辺はまだ初秋の気配だが、シベリアからの長旅で疲れた羽を休め、えさの海草などをついばんでいる。写真を撮った松阪さんによると、先月末に約50羽が飛来。2日には倍に増えた。ユリカモメもそろそろ姿を見せ始めるという。松阪さんは「捨てられた釣り糸などでけがをする鳥が絶えない。春には元気で戻れるよう気をつけてほしい」と話している。

  • 『いらっしゃいユリカモメ』  朝日新聞 '02. 10. 17

    冬の使者、ユリカモメが阪神間の河川に飛来し始めた。14日には西宮市の夙川河口付近で20羽ほど確認され、松阪さんが撮影した。15日には武庫川下流でも100羽以上、姿が見られた。例年、釣り人が捨てた糸が足などに絡まって傷つくユリカモメがいることから、松阪さんは「はるばる来たユリカモメを、日本で傷つけることなく帰したい。釣り人はマナーを守って」と呼びかけている。

  • 『ハクチョウ変死の昆陽池 アオコから毒素』  朝日新聞 '02. 10. 23

    伊丹市の昆陽池で6月、ハクチョウやアヒル計8羽が変死した事件で、当時、池で採取したアオコに、毒素のミクロシスチンが多量に含まれていたことがわかった。調べていた研究者から報告を受けた同市は22日、データを発表したが、変死との因果関係ははっきりしなかったという。同市は、池の水質の富栄養化がアオコ発生の原因とみて、水質浄化を進めているが、毒素が含まれていないか定期的に調べる方針も固めた。



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