水イボ

水イボ



「水イボ(みずいぼ)」は正式には「伝染性軟属腫」(でんせんせいなんぞくしゅ)といい、人から人へ染る柔らかいイボである。一般的には学童期までの子供が罹り、大人では非常に希である。1980年代以降、スイミングスクールの普及・流行により増加している。夏場になると、「とびひ」にならんで多くなる子供の皮膚病である。

【症状】

イボの表面はつるっとして、光沢がある。大きさは1〜数ミリほどで、ドーム状。座布団のように中央に窪みがある。手の平や足の裏には通常出ないが、体のどの部分でも出る可能性がある。

引っ掻いたりするうちに細菌感染を起こすことがある。こうした場合は大きく腫れて化膿することが多い。化膿しないまでも、掻く事によりイボの内容物が飛び出して拡がる恐れがある。

【治療】

柔らかいので、ピンセットで摘んで取り去る方法が一般的。痛みと少量の出血を伴うが、痕は残らないし、その場で治癒する。その他、硝酸銀の溶液を塗るという方法もある。痛みは無いが、取れるまで何日もかかるのが難点である。

【解説】

水イボは水イボウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)の感染によって起こる。なぜ「みず」が付くかといえば、その外見がつるりとしていて光沢があるので、水疱のように見えるからである。ところが、実際に水イボの中にあるものは水ではない。中には白いおからのようなものが詰まっており、ピンセットなどで強く摘むと出てくる。この白い内容物は、皮膚の残骸とウイルスが混じったものであり、引っ掻くと周囲に拡がり新たな感染を引き起こす。いったん指に付いてから拡がる場合が多いので、離れた部位や他人に染す可能性が高い。

ウイルスが皮膚の表面から侵入して発症するため、皮膚に障害があれば感染しやすくなる。その代表がアトピー性皮膚炎である。 アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥して微少な「キズ」が無数にあるので、防御力が低下した状態なのである。湿疹と水イボが同じ部位に認められる事がしばしば経験される。そのため、湿疹と水イボの治療を二段階に分けて行うと効果的な場合もある。

年長になると免疫が出来るので、簡単には発生しないが、大人が自分の子供からうつされる事も希にはある。

水イボを予防するには、子供の遊び友達が水イボに罹っている時は風呂で念入りに洗う必要がある。ただ、アトピー性皮膚炎がある場合は洗いすぎが湿疹を悪化させるので、医師の指導を仰いだ方が良い。だが、そもそも自分の子供が水イボとわかった時は、安易に他の子供と遊ばせたり、スイミングスクールに参加させたりしてはならない。

それでもイボが出来てしまった場合は、数が増える前に早めに病院で処置をしてもらうのが良い。2、3個のうちであれば、治療は1分もあれば済んでしまう。処置自体は単純なので、慣れれば自宅でも処置が可能である。取ったイボにはウイルスが詰まっているので、速やかに捨てて子供の手に触れぬよう気を付ける必要がある。

Back