活躍する異星人たち


スタートレックに登場する異星人は、ほとんど人間型(ヒューマノイド)である。役者が人間なので当たり前だが、一応理由が付いている。
何十億年も前、恒星間旅行の技術を持っていた種族がいた。いろいろ宇宙を探検したが、どこにも知的生命体を発見出来なかった。そこで彼等は生物(種)としての寿命が尽きる前に、自分たちの遺伝子をめぼしい惑星にばら撒いたのだという。やがてそれらの惑星から知的生命が誕生した。それが地球人、クリンゴン、ロミュラン、カーデシアなどであった("The Chase" [TNG])。

カターンの子守り歌 ("The Inner Light" [TNG])。
Now we live in you... Tell them of us... My darling... ("The Inner Light" [TNG])

バルカン (Vulcans)
Live long and prosper. [Spock]

尖った耳とヘルメットのように切り揃えた真っ直ぐな毛髪が特徴。極めて高い知能と科学力を持つ。平和を好み、感情を押さえて論理を何よりも優先させる。これは伝説の偉人とされる哲学者スラック (Surak)によって導かれたものである。もともとの感情のパワーが強すぎて、かつては社会も混乱していた。しかし感情をコントロールしようとするスラックの運動によって、ようやく安定した社会になったという。論理的思考に長じているため、司令官よりも、科学士官として特に能力を発揮する。スポックはあまりにも有名。

惑星バルカンは気候は暑くて大気は薄く、重力も大きいので、体格は痩せ型が多いけれども地球人よりも力はかなり強い。束になって掛かっても容易には負かすことは出来ない。また弱いながら、テレパシー能力を持つ。寿命は地球人より長く、200歳(地球年)は珍しくない。

バルカンの有名な得意技にネックピンチ (Vulcan neck/nerve pinch)というのがある。これは相手がヒューマノイドであれば種族に依らず有効な「技」で、頚の付け根に強い指圧を加えることにより相手を気絶させるものである ("The Enemy Within" [TOS])。後にデータ少佐がこの技を会得したが ("Unification" [TNG])、普通の人間には無理らしい。スポックの精神が乗り移ったドクター・マッコイが艦隊諜報部員を気絶させようとしたが失敗しているので (ST3)、たとえ方法を完全に会得していても力が強くないとダメのようである。

バルカンは地球から最も近い隣人で(15.9光年)、2063年4月5日に我々地球人が最初に接触に成功した地球外知的生命で、惑星連邦結成当初からの同志である。地球の隣人がバルカンのような平和的種族でなければ、惑星連邦の結成どころかワープ航法の開発と同時に戦国時代に突入していたであろう。このファーストコンタクトからエンタープライズ号の旅立ち(2151年)までの約1世紀の間、地球は事実上バルカンの厳格な保護下に置かれ、地球人としては不満が積もる年月ではあったが、結果として危険な他種族からの侵略から守られた。まさに歴史上のこの上無い幸運と言って良い。

クリンゴン (Klingons)
It is a good day to die. [Worf]

極めて高い知能と科学力を持つが、非常に野蛮で戦闘意欲が旺盛。色黒で、額部分に 兜ガニを貼り付けたような容貌である。髪は整えず、常に戦闘服を着ている。ビーム兵器全盛の時代に、刃物を使った格闘を重視する。うさぎ等の小動物の狩りをして、闘争心を日頃から磨く。何よりも名誉を重んじ、特に家名を汚すような行いは末代までの恥とされる ("Sins of The Father" [TNG])。若いクリンゴンは戦うことばかり考えて連邦側とまともな会話が成立し難いのだが、年寄りには賢明な連中も多い。

はじめは惑星連邦の宿敵であったが、資源採取用の衛星が大爆発し、その影響でクリンゴン本星が危うくなったため、軍事費を抑制して建て直しを図るために惑星連邦と和解・同盟した(ST6)。しかし本来は戦うことを本能的に宿命付けられた種族なので、平和に甘んずることに対する不満も根強く、結局その後同盟を破棄してしまった("The Way of the Warrior" [DS9])。

TNGとDS9に出てくるウォーフ大尉(後、少佐に昇進)は、艦隊最初のクリンゴン人である。子供の頃、ロミュランとの戦争で孤児になったウォーフは、親切なロシア系地球人に育てられ、連邦のために働くことを決意したという。

クリンゴンの政治形態は独特で、中世の日本に少し似ている。また、彼らの気質はサムライに通ずるところがあり、"Blood Oath" [DS9]などはヤクザ映画の筋書きである。

なお、クリンゴンの顔のデザインはTOS時代から大きく変化している。

クリンゴンの代表的な戦艦はバード・オブ・プレイ(Bird of Prey)であるが、その数倍大きいボーチャ級(Vor'cha)戦艦も度々登場する。

ロミュラン (Romulans)

身体的特徴はバルカンと同じである。それもそのはず、スラックの思想を嫌って2000年以上も前にバルカンを捨てた、同じルーツを持つ種族である。バルカンでは平和の為に感情を捨てたが、その陰画がロミュランである。非常に狡猾な種族である。彼らのやり口は、最初は積極的には手を出さず、最後に登場してエサをさらうというものである。

内政的には、一部の勢力が実権を掌握し、強圧的な手法が民衆の反発を招いており、軍部内にも根強い反発がある ("Face of The Enemy" [TNG])。スポックは父サレックの遺志を継ぎ、バルカン大使として活躍するなかで、ロミュランに潜入して反対勢力の助けのもと、バルカンとの再統一を画策している ("Unification" [TNG])。

名目上は停戦状態だが、惑星連邦とクリンゴンの双方を敵に回して、時々戦闘がある。

ロミュランの代表的な戦艦はウォーバード(War Bird)である。

カーデシアン (Cardassians)

連邦宇宙域からみて、ロミュランの対極にカーデシアが勢力を張っている。ヒューマノイドであるが、全身ウロコのような皮膚におおわれており、爬虫類が進化したような形状である。極めて高い知能を持つが、概して戦闘的で非情かつ狡猾である。その一方、自分たちの子供は非常に大事にする。連邦とは停戦しているものの、断続的に戦闘がある。科学技術の水準は連邦とほぼ互角。

カーデシアは元は平和的な種族であったが、経済的に行き詰まり、周辺の種族に勢力を伸ばす事によって生きながら得て来た歴史を持つ("Chain of Command" [TNG])。連邦との境界付近にあるベイジョー星もその一つで、散々資源を搾取して利用価値が無くなった為に撤退している。その後ベイジョーの政治は乱れて混乱の極みに追い込まれた。ディープスペース9は、占領時代に使っていた宇宙ステーションで("Terok Nor"と呼ばれていた)、不要となったために廃棄され、連邦が管理を任されている。

またカーデシアには“オブシディアン・オーダー (Obsidian Order)”という怖ろしい諜報機関があり、それが登場するエピソードは大変面白い。

ボーグ (Borg)
Resistance is futile. [Borg collective]

デルタ宇宙域に本拠地があるという、機械とヒューマノイドのハイブリッド(結合)生命体である。彼等は多くの兵士から成るが、それぞれに個性は無い。あくまでボーグの部品として存在する。その点、蟻の社会と似ている。一見したところは鎧のような大きな機械部分(インプラント)で覆われているので単なるサイボーグのようでもあるが、実際には無数のナノプローブが細胞一つ一つに取り付いて代謝など細部にわたってコントロールされる極めて高度な生命体である。彼らは価値ある生命体と見れば即座に同化 (assimilation)しようとするが、その最初のステップは指に取り付けられた針からナノプローブを相手に注入することから始まる。【→ナノプローブ

ナノプローブは脳の奥深くまでも入り込んでゆき、体の一部として機能するようになるため、完全にボーグに同化されてしまうと元の体に戻すことは極めて困難となる。元ボーグでUSS Voyagerのクルーとなったセブン・オブ・ナインも、インプラントは殆ど外すことが出来て外見上は地球人に戻ったが、ナノプローブは一部残存している。

彼等は“私”という言葉は使わず、必ず“我々”と言う。各員には細かく役割分担が決められており、一種の亜空間リンクで接続されて集合体としての意識を保持しつつ、整然と役目を果たすようにプログラムされている。よって、リンクが機能している限りは仲間割れはなく、それどころか仲間が戦死するとどんなに遠く離れていても仲間が回収にやってくる。

ボーグシップという一辺が約3Kmもある巨大な立方体の基地のような宇宙船で移動し、圧倒的な火力で様々な文明を破壊しつくしてきた。彼等の目的は文明を吸収しつつ抹殺してしまう事で、個々は殺すよりも同化する事を優先する。数多くの文明を吸収してきただけあって、ボーグのテクノロジーは惑星連邦より遥かに進んでおり、通常の兵器では対抗出来ない。地球も抹殺されそうになったが、エンタープライズの英雄的活躍により危機を脱した ("The Best of Both Worlds" [TNG])。この時ピカード艦長はボーグに同化されてしまった(ロキュータスと命名されたが、勝利したのち機械部分を分離されて生還)。しかし正攻法では歯が立たない相手であることに変わりは無く、倒すにはかなり手の込んだ戦略が必要となる。

惑星連邦は対ボーグ用に新兵器を開発(量子魚雷など)して再度の襲来に備えていたが、過去の地球に攻撃を仕掛けてバルカンと地球のファーストコンタクトを阻止する作戦に出た。これにより惑星連邦結成を阻止して地球を占拠するはずであったが、またしてもピカード達に阻まれた(ST8:First Contact)。

ボーグ兵士といっても元々はヒューマノイドで、ナノプローブを使って拉致された後、改造されて兵士となる。本体は地球人でもカーデシアでもクリンゴンでも良い。もし赤ん坊だった場合は、少しずつ時間をかけて機械部分を移植して改造されるらしい。なお、ボーグの集合体意識の中枢にはボーグクイーンがいて、全体の統括をしている。

フェレンギ (Ferengi)

背が低く、非常に大きな耳が特徴の醜い、漫画のような種族である。しぐさは悪童のようだが、その外見からは想像し難いほど高い文明を持つ。彼等の科学技術は銀河系でも屈指と思われる。

しかし、彼等の本領は商売である。相手がカーデシアであろうと、ロミュランであろうと、儲かる取り引きは逃さない。もちろん詐欺まがいの手法を使うのはいうまでもない。実利的で儲け主義以外は特に主義主張が無く、特に思想や宗教に拘らないので、宿敵も存在しないようである。金にならない無益な争いは好まず、彼らの歴史には大量殺戮などは無かったが、多種族の戦争には積極的に群がって武器売買で利益をあげる。ある意味では、彼らは銀河系で最も自由に飛び回っている連中で、多様な科学技術を銀河系の諸民族に伝導しているとも言える。

フェレンギの社会はマフィア組織と似ており、ネーガス(Nagus)という称号を持つ大ボスを中心に活動する ("The Nagus" [DS9])。また徹底的な男尊女卑社会で、女性は一切の仕事に手を出してはならず、家の外に出ることが許されないばかりか、服を着てもいけない ("Family Business" [DS9])。
フェレンギのビジネスの心得を示した『金儲けの秘訣』(The Ferengi Rules of Acquisition)というのが面白い。

フェレンギの代表的な戦艦はマローダー(Marauder)である。これが意外に強い。

ベイジョー (Bajorans)

ベイジョーは連邦宇宙域の外れにある惑星である。連邦は援助を申し出ているが、惑星連邦には正式加盟していない。人類がまだ2足歩行さえしていなかった数十万年前から文明を持っている。高い精神性と文化を持つ、誇り高きヒューマノイドである。
一見地球人のようであるが、鼻根部がギザギザに隆起している。右耳には男でも女でもチェーン式の耳飾りをしている。

2328年、カーデシアが侵入し、2339年からカーデシアに併合されてしまった。以後2369年にカーデシアが撤退するまで40年間もレジスタンスを続けた。その間に地下資源など、徹底的にカーデシアが搾取してしまったので、ほとんど自立が不可能な状態に陥った。キラ少佐は筋金入りの地下活動の戦士出身で、DS9ではシスコ司令官の副官を務める極めて有能な士官である。

ベイジョー星の近くにワームホールがあり、これが太古の昔から信仰の対象になっている。ワームホールには預言者が住むと信じられており、神聖な領域とされる。1万年以上前からベイジョー星系で『光る水晶体』が発見されており、預言者がベイジョー人を導くために与えた物と信じられている。これは謎の力を秘めており、当然カーデシアも興味を抱いて、9個あったうち1個を除いて全て持ち去られてしまった ("Emissary" [DS9])。

トリル (Trill)

ヒューマノイドと、共生生物との合体によって極めて高い知性と経験を持つ種族。ヒューマノイドの方は共生生物と合体しなくとも普通に生きて行けるが、共生生物は母星の地下にある特殊な湖以外では単独では生きられない。共生生物は直径20cm位の丸い生物で、手足も感覚器官も全て持っていないが、脳は持っている。彼等は何百年も生きる事が出来るので、ホストたるヒューマノイドを何度も鞍替えする。

ホスト側は共生生物と合体する事により、長年の知識と経験を共有する事が出来るため、極めて高い知能を得る事が出来る。しかしながら共生生物の数はホスト希望者に対して圧倒的に少ないため、厳格な選別が行われる。競争率は高く、1000人に1人以下の狭き門である。ダックス大尉は合体以前、20歳代半ばで既に博士号をいくつも所有する超エリート(しかも超美人)で、共生生物にとっては7人目である。ダックス大尉の以前のホスト(クルゾン)は、シスコ司令官の人生の師(男の老人)であった。剛胆で信義に厚い立派な人物であったらしい ("Dax" [DS9], "Emissary" [DS9], "Blood Oath" [DS9])。

彼等は一度合体(腹部に入れる)すると、93時間後には互いに強度に依存しあう関係になるので、ホストが死ぬまで取り出せなくなる ("Dax" [DS9])。

共生生物にとっては、ホストの性別はどうでもよいので、ホストを取り替えると性別も変わる事がよくある。ドクター・クラッシャーは、オダン大使(男のトリル族)に恋をしてしまったが、オダンが死んだ後、再度別のホストと合体したオダンと会うと、それは女性であった。「いったい自分が恋したオダンは何だったのか」と自問するドクターであった ("The Host" [TNG])。

"Q"と"Q"連続体 (Q and Q continuum)

彼等は生物ではない。指を鳴らすだけで何にでも形を変えることができるし、時空を越えてどこへでも行ける。神と呼ぶべきか、悪魔と呼ぶべきか、よく実体のわからない超時空的存在。よく登場する"Q"は、実は"Q"連続体の一部にしか過ぎない。彼等は、自分たちが持つ無限のパワーを管理しているのだという。もしも逸脱する行為を行えば、抹殺されたりパワーを奪われたりする ("Deja Q" [TNG]、"True-Q" [TNG])。そのパワーを使えば局所的に物理定数を変化させることなどはたやすいらしく、惑星を弾き飛ばしたり平凡な恒星を超新星化させてしまう ("The Q and the Grey" [VGR])。

Q連続体も、かつては普通の生命体だったらしいのだが進化の結果このように変貌し、それに伴って全知全能に近い存在となった。それに引き替えて知的生命体にとって大切な好奇心を置き去りにしてしまったのであった。“何でも知っている”ということは生きる意欲を削ぐことにもつながり、種族の存亡に関わる深刻な問題ともいえる ("Death Wish" [VGR])。

その"Q"は人間と関わることで好奇心を満たそうとしているらしい。特にピカード艦長ジェインウエイ艦長、そして宇宙考古学者バッシュ博士はお気に入りで、付きまとっては嫌がられている。ピカード艦長らのように優秀で好奇心旺盛な人物の目を通して宇宙を見る事が自分の楽しみなのだ ("Q-Less" [DS9])。"That is the exploration that awaits you ! Not mapping stars and studying nebula, but charting the unknown possibilities of existence."とピカードに言い残して Enterprise-Dを去った彼は、我が子の成長を楽しみにする親のようでもあった ("All Good Things..." [TNG])。

そのQが語るところによれば、人類も遠い将来においてQ連続体を凌ぐ存在に変容するという ("Hide And Q" [TNG])。

ベタゾイド (Betazoids)

彼らの外見は人間と全く同じである(黒い瞳を持っている)。しかし、極めて鋭いエンパシー能力を持つ事で有名な種族である。

エンパシーとは他人の思考を感じ取る能力で、普通は思春期以降に開花するのであるが、中には生後すぐにその能力に目覚める場合もある。そうした場合、自分と他人の間に適度な「垣根」を作る事が出来ず、他人の思考が容赦なく洪水のごとく押し寄せて下手をすると精神崩壊に至るため、特別な治療が必要であるという ("Tin Man" [TNG])。大抵の相手の心を読める彼らであるが、フェレンギなどの一部の種族はどうしても読めないようである ("Menage a Troi" [TNG])。

ディアナ・トロイ(Enterprise-Dのカウンセラー)は、ラクサナ・トロイ大使の娘であるが、父親が地球人の艦隊士官であったため、テレパシーは弱い ("The Child" [TNG])。

ベタゼド星では伝統的な王室が残っており、政治的実権は無いものの、一応国民からは一目置かれている。ラクサナは第5王室の正当な後継者である ("Haven" [TNG])。ディアナはその唯一の子供であるので、将来は王室を継ぐ身である。

成人のベタゾイド女性は、夫がいない場合は周期的に強い結婚願望に見舞われる。ラクサナはピカード艦長またはライカー副長を結婚相手の候補と勝手に決めて強力なアタックをして(特に艦長に)、いつも嫌がられていた ("Manhunt" [TNG])。なお、伝統的な結婚式の作法によれば、花嫁は全裸でお披露目することになっている ("Cost of Living" [TNG])。

ラクサナ役の Majel Barrettさんは、恐れ多くも故 Gene Roddenberry氏の未亡人である。TOS時代からよく出演しており、ナース・チャペル役や、コンピュータの声などを担当してきた(2008年12月18日没)。

創設者 (Founders)

彼らは「可変種」とも呼ばれる流動体生物である。
創設者という呼び名は、ガンマ宇宙域を支配している組織ドミニオンを創設したことから来ており、発祥地は明らかでない。太古の昔は宇宙を旅していたが、流動体生物で何にでも化けることが出来るため、何処へ行っても忌み嫌われて、彼らが「固形種」と呼ぶところの通常の生物によって、多くの同胞を殺されたという。その後彼らはガンマ宇宙域にあるオマリオン星雲のある惑星に落ち着き、ドミニオンという軍事国家を作りあげてその頂点に君臨している。固形種への積年の恨みからなのか、そのやり方は徹底した破壊を伴う恐怖による圧政である。通常はジェムハダーが軍隊として使われるが、その完璧な変身能力を生かして自らスパイ活動も行うことがある。宇宙艦隊のセンサーでは変身後は本物と見分けが付けられないので最強のスパイといえる("Apocalypse Rising" [DS9])。

DS9の保安チーフであるオドーは創設者の同胞ではあるが、遙か昔に幼生体のまま遠隔宇宙域の調査に出されていたものを、ベイジョーの科学者に拾われて成長したという経過がある。そのような事情により、自分が創設者の仲間であることを最初は知らなかったが、後に事情を知るに至っても同胞のもとへ帰ることを拒否している。彼らには「偉大なる繋がり」(Great Link)と呼ばれる意識下の連結があり、どんなに離れていても同胞を感じ取ることができる集合体である("The Search" [DS9])。

彼らの体は通常はゲル状であり、内蔵はもちろん見かけ上は何の感覚器官も無いようである。まったく無構造のように思えるが、実際には形態形成マトリックス(morphogenic matrix)が張り巡らされており、変身をコントロールしている("The Begotten" [DS9])。その変身能力は驚異そのもので、ワイングラスにも巨大な怪物にも成ることができ、そのたびに重量も変化する。しかもセンサーによれば本物の構成分子と判別不能ということで、24世紀の科学をもってしても理論付けは難しいようである。いずれにしても量子レベルで変性していることは間違いない。彼らの存在は、質量や物質の根元的意義に迫る足掛かりとなるだろう。

ジェムハダー (Jem'Hadar)

彼らは自然発生した生命体ではない。遺伝子工学を駆使して創設者が造り上げたドミニオンの兵士たちである。彼らはボルタ族(Vorta)によって直接管理されている。
一般的な生殖によって誕生するのではなく、ドラム缶のような人工子宮の内部で形成され、僅か3日ほどで生まれてくる。彼らは生まれながらに言語能力と必要な知識、そして屈強な肉体を備えており、即戦力となる("The Abandoned" [DS9])。必要な情報はすべて遺伝子に組み込まれており、創設者を神と崇める精神さえも持たされている("Hippocratic Oath" [DS9])。

生殖が不要なので彼らはすべてオスで、トカゲのような硬いウロコで全身覆われており、常に鍛えているだけあって白兵戦に強い上に知能も極めて高い。
ただ、創設者は彼らを尊厳ある知的生命体として造ったのではなく、単なる兵隊として利用するのが目的であることから、体の機能は戦闘向けになっている。彼らには休息というものは一切不要であり、眠る必要も無い。異性にうつつを抜かす事もなければ、食べる必要もない。食べる代わりにケトラセル・ホワイト(ketracel-white)という薬液をチューブで体に直接流し込むのだが、この液には生存に必須な特殊な酵素が含まれており、また同時に唯一の必要栄養素でもある。この薬液はボルタ族が直接支給するシステムになっており、もし反抗すれば配給が無くなって死ぬしかない。彼らはボルタに管理されているが、創設者による直接管理は受けていないため、ほとんどの者は創設者にまみえる栄誉に恵まれることなく死んでゆく("To the Death" [DS9])。

とにかく戦う事だけが欲望であり、また老いる前に死ぬように遺伝子設計されているので、通常は8歳まで生きれば年長な方で、20歳を超えることは極めて希である。

ネシーン (Necene)

他の銀河系からやってきたスポロキスト型と呼ばれる生命体 (sporocystian energy)で、物質と非物質の中間的な性質を持つ【"sporocyst"は通常は寄生虫(原虫)の一形態を表す用語だが、ここで使用した意図は不明】。極めて進歩したテクノロジーを持ち、生活の場として通常空間よりも亜空間を好み、もともと決まった形状は無く、我々の目に触れる時には任意の形態をとることができる(原型はゲル状で『創設者』と似てはいるが、両者は根本的に異なる生命体と思われる)。千年の昔、惑星オカンパを訪れた際に誤って大気を荒廃させて惑星全体を砂漠化させ、バクテリアすら棲息出来ないような不毛の地にしてしまった。責任を感じた彼らは、2体(雄と雌)だけ残留して地下都市を建設してオカンパ人を住まわせて管理してきた。オカンパ人からは『管理者(caretaker)』として崇められていたが、途中で雌が出奔したために雄がひとり残されてしまった。老齢のため死にかかっていた彼は、進んだ亜空間テクノロジーを用いて銀河系の様々な場所から生命体を呼び寄せては自分の子孫に改造しようと生体実験を繰り返していた ("Caretaker" [VGR])。USS Voyagerは、その巻き添えになって生体サンプルとしてデルタ宇宙域へ7万光年の距離を一瞬のうちに連れてこられた。その後彼はすぐに死んでしまったので USS Voyagerはデルタ宇宙域に取り残されることになるが、もうひとり(雌の方)は“サスピリア”(Suspiria)と名乗って別のところで生きており、オカンパ人の子孫を管理していた ("Cold Fire" [VGR])。

オカンパ (Ocampa)

デルタ宇宙域の惑星オカンパに住む種族。外見は尖った耳以外は地球人と同じだが、地球年にして9年しか生きられない短命な種族である。USS Voyagerに搭乗しているケスはオカンパ人だが、僅かに2歳なのに立派な若者である。それに見合うように成長も早く、記憶・学習能力も抜群であるが、それだけでなく非常に強いテレパシー能力をも備えている。
惑星オカンパは千年前にネシーンによって「雨の核となる粒子 (nucleogenic particles)」が取り払われてしまい、それ以来惑星全域が砂漠化し、地下都市の中で『管理者』によってケイゾンたちから守られて何百世代にも渡って安全に生活してきた。しかし管理者が死んだ今、再び自立の時が来たようである ("Caretaker" [VGR], "Cold Fire" [VGR])。

タラクシアン (Talaxians)

デルタ宇宙域の惑星タラクシアに住むヒューマノイド。中央に集中した髪の毛は、トウモロコシを思い起こさせる。ワープ技術は持つが、強力な武器は持たない。ハーコニアンという種族との10年にも及ぶ戦争の後、核兵器の進化型のようなメトリオン爆弾によって30万人以上を殺されて降伏したが、生き残った多くの人々もメトリオン病を患っているという。USS Voyagerにはニーリックスが乗り込んでおり、コック兼ムードメーカーとして活躍している。

ケイゾン (Kazon)

デルタ宇宙域で一大勢力を誇る獰猛な種族。外見や行動はクリンゴンに似ている。彼らは多数のセクトに分かれて活動し(それぞれマージ (maje)と呼ばれるボスに統率されている)、ケイゾン共同体 (Kazon Collective)という緩やかな連邦を一応形成しているが、互いの仲は当然良くない。ケイゾン・オーグラ (Kazon-Ogla)やケイゾン・ニストリム (Kazon-Nistrim)というのはその代表的なセクトの名称で、入れ替わり立ち替わり USS Voyagerを襲撃し、その行く手に立ちはだかる。彼らはワープ技術は持っているが、レプリケーターや転送技術は持っていない ("Caretaker" [VGR])。またトラクタービームやフェイザー(の類)は装備しているが、船が巨大な割にはパワーが小さく、総合的にみると初期の惑星連邦程度のレベルと思われる。
ケイゾンはその昔、“トレイブ” (Trabe)という高い文明を持つ種族の奴隷として飼われていた。多数のセクトに分かれているのは、刃向かわないようにするための統治者としての方策であった。しかし結局、力をつけたケイゾンの下克上にあい、宇宙船を含めて多くのテクノロジーを盗まれてしまった ("Maneuvers" [VGR], "Alliances" [VGR])。ケイゾンが所有する技術は、ほとんどトレイブから奪い取ったものである。

代表的な船はプレデター級(Predator-class)戦艦である。

生命体8472 (Species 8472)

8472とは、ボーグが付けた呼び名である。ボーグは、出会った高等生物を通し番号で呼んでいるので、その8472番目の種族という意味である。彼らはヒューマノイドではなく、奇怪な形状(3本脚)をしており、真空状態にも耐え、武器を持たずとも強力な攻撃力を有する。8472はブラックホール周辺の特殊な空間の住人であり、今までは通常の宇宙の我々とは接点が無かったのであるが、ボーグは何らかの手段を用いて彼らの存在を察知し、例によって同化するために先制攻撃を仕掛けた。ところが、ボーグが究極の生命体と評価するだけあって、同化しようと接触するや、彼らの攻撃的な免疫力の反撃にあって逆に皆殺しにされてしまった。彼らの宇宙船は細胞からできており(バイオシップ; bioship)、とてつもなく高密度の生体エネルギーを放射できる。バイオシップのビーム一撃でボーグキューブは木っ端微塵になるし、9隻による集束ビームなら惑星すら爆破してしまう。まるでエネルギーの単位が数桁違うような破壊力で、正面からは歯が立たず、Voyagerはもちろんボーグさえも壊滅の危機に瀕した。Voyagerとボーグは一時的に同盟を結び、改造したボーグのナノプローブをバイオシップに打ち込むという裏技で、生物学的に破壊することに成功した ("Scorpion" [VGR])。この敗戦で8472は人間に過度の警戒心を持つようになり、極めて慎重な地球攻略作戦を展開し始めた。遺伝子改造技術を駆使して、人間の形に改造したスパイを宇宙艦隊に潜入させる目論見だったが、また Voyagerの妨害にあう。しかし、この時同時に部分的和解に成功している ("In The Flesh" [VGR])。

ヴィディアン (Vidiians)

デルタ宇宙域で古くから勢力を誇る種族。科学技術は非常に進んでいる。かつては、教育者であり、芸術家であり、そして探検家でもあったともいわれる誇り高い種族であったが、約2,000年前からフェイジ (Phage)とよばれる謎の病気に種族全体がかかってしまい、今や滅亡の危機に瀕している。彼らは長年にわたるフェイジ研究の結果、飛び抜けて優れた医学を持つに至ったが、残念ながら治療法は見いだせていない。これは内蔵を含めた全身の組織を壊死させる病気で、機能不全に陥った臓器は、他の種族から奪って移植しながら命をつないでいる。皮膚もかなり壊死しているので、本当の姿を想像するのも困難である。全身つぎはぎだらけである。彼らのトリコーダーには、センサーだけでなく、高性能の超小型転送装置が仕組まれていて、スキャンした相手に欲しい臓器をみつけたら即座に転送ビームを発射して、生きたまま臓器を奪う(ニーリックスは、肺を奪われてしまった)。相手が死ぬことになっても、それはお構いなしである。奪った臓器は自分たちに移植されるが、進んだ医学によって組織適合処置がなされるので、問題なく機能する ("Phage" [VGR])。しかし不思議なことに、再生医学が無いらしい。医学としては初歩的なこの技術があれば、他種族を殺戮する必要もないのに、まったく謎である。

ヴォス (Voth)

デルタ宇宙域で最古参の種族。ヒューマノイドではあるが、爬虫類の姿をしている。彼らの歴史は何百万年にも及び極めて高度である。トランスワープ技術は持っているし、スペースコロニーほどの大きさの母船 (Voth city ship)の内部に、USS Voyagerを丸ごと転送捕獲するほどのパワーを駆使する。ヴォスは、何故かその宇宙域で発生・進化したという思想 (Voth doctrine)に固執しており、それに反対する者達を弾圧してきた。しかし、実のところ、地球の恐竜が彼らのルーツであるらしい ("Distant Origin" [VGR])。約6,500万年前の白亜紀大絶滅の際に、恐竜の一種であるハドロザウルスが、どうやったかはわからないが地球を逃れて、数千万年をかけてデルタ宇宙域に流れてきたらしい。この設定にはかなり無理があるけれども、もし恐竜の絶滅が無かったなら、地球上で起きていたかもしれない話ではある。

ブリーン (Breens)

ほとんどの種族は、水を体液のベースとして活用しているが、ブリーンは例外である。それというのも、彼らの母星は氷点下数十度という極寒の氷の世界であるにもかかわらず、そんな環境で普通に暮らしているからである。むしろ、水ベースの他の種族の生活環境が暑すぎるということになる。ヒューマノイドではあるが、登場するときには保冷スーツに身を包んでいるので、その実体は謎につつまれている。血液すら無く、水が化学反応の場として使われていないらしいので、我々の生化学的知識は使えない ("In Purgatory's Shadow" [DS9])。彼らは強大な軍事力を持ち、常に惑星連邦の脅威ではあった。TNGまでは端役に甘んじていたが、DS9終盤になって、エネルギー抑制兵器を手土産に、ドミニオンの同盟者として歴史の表舞台に登場した ("The Changing Face of Evil" [DS9])。 スリバン (Sulibans)

スリバンはENTにおける主な敵対種族である。地球人やバルカンなどにとどまらず、様々な種族と敵対している。彼らの母星は地球暦の19世紀半ばに居住不能となったため、宇宙を放浪することを余儀なくされている。彼らは普通のヒューマノイドであって、特にどうということのない種族なのだが ("Detained" [ENT])、彼らの一部がカバル(Cabal)というセクトを形成し、「時間冷戦 (Temporal Cold War)」と呼ばれる歴史の改ざんをめぐる戦いの傭兵として、影のような正体不明の未来種族からの指令を受けて銀河をかき回す("Broken Bow" [ENT])。その代わりに、遺伝子操作を受けて蜘蛛のように壁をよじ登ったり骨格や皮膚を自在に変形させる能力を得ている。ただ、この22世紀の宇宙で知らぬ者の無いほどの悪名高いスリバン(カバル)が、23世紀(TOS)や24世紀(TNG〜VGR)には一度も出てこないということは実に奇妙である。これは彼らの運命を暗示しているのかもしれない。
<それほど頻出していないが、時々出てきては楽しませてくれる種族もある。その一部を紹介する>


アンドリアン (Andorians)

惑星連邦結成の初期より加盟している。青い皮膚、頭には特徴的な白髪と折れ曲がった2本の触覚(角)を持つ。みずから野蛮な種族だと言っているし、実際その通りである ("Journey to Babel" [TOS])。彼らの婚姻習慣によれば、夫婦関係は4人で構成されるというのだが、その内男女それぞれ何人ずつなのかは不明 ("Data's Day" [TNG])。男女比率により、4人の関係が大きく異なるだろう事は容易に想像できる。TNG〜VGRには殆ど登場しなかったが、ENTでは登場する。連邦発足以前には、隣国のバルカンと緊張関係にあった ("The Andorian Incident" [ENT])。

ボリアン (Bolians)

皮膚は青くて髪の毛が無く、体の中心に隆起した線があるのが特徴。TNGから時々登場するが、最も有名なボリアンは Enterprise-Dの理髪師モット(Mot)であろう。彼は陽気で、お客であるクルーから嫌みを言われても決して怒らない ("Shisms" [TNG], "Data's Day" [TNG])。小心者だが自分では卓越した戦略家だと思いこんでおり、策略を考えついてはピカード艦長に提案しようとするのだが、軽くかわされてしまう ("Ensign Ro" [TNG], "Unification" [TNG])。ボリアンは端役での出番が結構多いが、目立つので探しやすい。

デルタン (Deltans)

惑星連邦加盟している種族は24世紀には150にも及ぶが、その中でも最も男性を魅了する女性を輩出する種族。スリムで髪の毛が無いのが特徴。あまりに魅惑的な事が原因なのかは分からないが、艦隊に入隊するためには生涯独身の誓いをたてなければならないらしい (ST1)。しかし、こんな種族が同僚にいれば非常に仕事がやりにくいであろう。

ベンザイト (Benzites)

24世紀後半に連邦加盟したニューフェース。ごつごつした無毛(?)の青い皮膚をした種族。彼らの惑星、ベンザー星の大気はかなり特殊らしく、宇宙艦隊の船の大気では呼吸が出来ないので、特殊なガス吸入器をつけている。モードックは艦隊アカデミーに入学を許された最初のベンザイトである。が、実はウェスリー・クラッシャーが友情から入学試験の首席を譲ったものであった(合格は一名のみ、ウェスリーはそのため試験に落ちた)。モードックはそれ以降、ウェスリーに恩義を感じている ("Coming of Age" [TNG])。

ソリアン (Tholians)

TNGやDS9では名前だけ登場する謎の種族。DS9では「ソリアンの貨物船が..」とか「ソリアンの大使が..」という会話が良く出てくる。

連邦にとって彼らは大きな脅威である。初代 Enterpriseはソリアンウェッブ(Tholian Web)という網状のエネルギーフィールドに閉じこめらたことがある ("The Tholian Web" [TOS])。僅か10メートル足らずの宇宙船からの攻撃に Enterpriseは危機に陥ったのである。またライカー中佐の父親 Kyle Rikerはソリアンの攻撃で地獄を見た数少ない生き残りでもある ("The Icarus Factor" [TNG])。
極めて高い科学水準を持つ種族だが、ヒューマノイドではなく、チェスの駒の様な不思議な外見をしている。彼らの母星ソリアIIは恒星から極めて近く、超高温、超高圧のメタンガスの大気を持つ過酷な環境下にある。体の分子組成も炭素ベースではなく、シリコンベースであると考えられている。

彼らは単独で行動するのではなく、集団で組織的に行動する (Tholian Assembly)。その意味ではボーグと似ているが、機械とのハイブリッドではない。縄張り意識が強く領域を The Territorial Annexと自称して、外敵の侵入を拒みながら拡大に意欲をみせる。連邦は不可侵の政策をとり、ほとんど交流は無く刺激しないように非常に気を使っている ("Reunion" [TNG])。時々宇宙商人達が接触を試みるのみであり、実際に彼らの姿を見た者は多くない。興味深い謎の種族である。

なお、ソリアン・ブランデーという酒が時々出てくるが、こちらは"Saurian brandy"であって、"Tholians"とは無関係である ("The Enemy Within [TOS], "Bloodlines" [TNG], "The Wire" [DS9] etc.)。

イリディアン (Yridians)

しわくちゃな顔をした種族で、フェレンギ同様の宇宙商人であるが、彼らの商品は情報である。金になりそうなネタを仕入れて来ては売り込みにやってくる。そのネタも個人的な規模のものから ("Birthright" [TNG])、国家・宇宙規模の重要なもの ("The Chase" [TNG])までいろいろである。ネタの売買というのは常に身の危険をともなうものであり、それをクリンゴンやカーデシア等の荒い連中を相手にやってのけるのは骨が折れるであろう。彼らは、フェレンギのように意図的に偽物を客につかませるような、詐欺行為はしていないようだが、フェレンギと同じく臆病である。臆病でなければいくつ命があっても足りないのかもしれない。

タマリアン (Tamarians)

タマリアンという種族の存在は古くから知られていたが、高度の文明を持っているにもかかわらず、ほとんどコンタクトがとれない状態だった。とにかく、何を言いたいのか全く意味不明なのである。そんな時、ピカード艦長とタマリアンのダッサン艦長が、惑星エル・アドレル上で数日を共に過ごしたところ、ようやく糸口がつかめた。ピカード艦長は、相手の「テレグラのダーモック」とか「テンバ、広げた腕」「壁は崩れ落ちた」などという意味不明の言葉に初めは戸惑ったものの、彼らの言葉は全てタマリアの神話や故事から取った比喩であって、必ずしも目の前の事象を直接表現していない事に気づく。どうやら、神話の中に同様の場面を探し出しながら会話をするらしい。それゆえ、単語を2,3並べるだけで互いに意味を把握することができ、具体的な細かい説明が必要無いのであった。ダッサン艦長の思考に合わせるため、ピカード艦長は地球の神話(ギルガメシュ叙事詩)を使って会話を試みたところ、ある程度わかりあうことに成功した。しかしこれは、全ての会話を、ことわざや故事で間に合わせるようなもので、これだけでは厳密性に問題がある。どうやって高度な文明を達成しえたのか、さらなる研究が必要であることは疑い無いが、残念ながらタマリアンの登場はこの一回のみである ("Darmok" [TNG])。もし本当にこんな種族がいたら、その研究者は一人で何百編もの論文が書けそうである。

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