報道にみる野鳥おじさんの活動 (1995〜1997)

  • 『痛々しくユリカモメ』  朝日新聞 '95. 1.17

    西宮市津門川町の津門川に群れるユリカモメの中に、釣り糸が絡んで右足が不自由になっている1羽を、松阪龍起さんが9日見つけた。右足の付け根付近に針が刺さっており、釣り糸と鉛の重りもぶら下がっている。ユリカモメは夜になると海の方に飛んでいくが、このユリカモメは居残っている。

  • 『震災日誌:ハト救済法を指導』  毎日新聞 '95. 2. 6

    松阪龍起さんが、西宮神社前で被災ペットの保護活動をしている「動物救護対策本部」を訪問。ボランティアたちに、同市内で保護したビニールひもが足に絡まったハト5羽を見せ、救済方法を指導した。

  • 『足に洗濯ばさみ、哀れハトを保護』  朝日新聞 '95. 4.27

    尼崎市大島、武庫川河川敷で、足に洗濯ばさみを挟まれたハトを松阪龍起さんが23日、見つけて保護した。ハトは芝生に一羽で座り込んでいた。洗濯ばさみを外しても足にくっきりと形が残り、しばらく片足で立っていた。一晩保護し、翌朝には元気に空へはばたいた。震災後、公園に仮設住宅が建てられた影響もあって、河川敷に居場所を移すハトが増えているという。

  • 『猛暑の武庫川にハクチョウ』  産経新聞 '95. 8. 5

    武庫川のJR神戸線鉄橋北約100m付近に、季節はずれのハクチョウが飛来し、市民を驚かせている。西宮市の松阪龍起さんが3日発見した。首の長さだけで約1mもあり、オオハクチョウらしい。松阪さんも「武庫川で見るのは初めて」という。左羽の後ろに傷痕があり、怪我をしてシベリアに帰れなくなったのかもしれない。

  • 『釣り糸は野鳥の脅威に』  朝日新聞 '95.11.20

    「十月あたりから、釣り糸をからませた野鳥がまた目立つようになった」と警告するのは松阪龍起さん。震災後には減った釣り人が、十月中旬から再び多くなった。それに比例して釣り糸の野鳥被害も増えたという。

  • 『有毒アオコでカルガモ死ぬ』  朝日新聞 '95.12.12

    西宮市高座町の住宅街にある貯水池「新池」で、8月から9月にかけて十数羽のカルガモが相次いで死んだ。池にはアオコが大発生し、水面は緑色になっていた。地元の松阪龍起さんの知らせで、武庫川女子大薬学部の木村行男教授のグループが池の水を採取し、名城大薬学部に確認を依頼したところ、このアオコは、肝臓障害を引き起こすミクロシスチンという毒素を持つことがわかった。西宮市内の動物病院で保護されたカルガモの血液を調べたところ、黄疸反応があった。

  • 『”悪魔の糸”から鳥守りたい』  毎日小学生新聞 '96. 3. 5

    先月のある日、西宮市内の高須西幼稚園から「足にビニール糸をからめたハトが数羽、園にきている。かわいそうだから助けて欲しい。」と松阪さんに連絡があった。さっそく訪れ、糸がからまった3羽を保護した。うち1羽は、投網と思われる細いビニール製の糸が、足に深く食込んで傷ついていた。松阪さんが釣り糸やたこ糸等が野鳥の脅威となっていることを説明したあと、子供たちが、ハトの足に絡んだ糸をはさみで切り取り、空に放した。

  • 『海の汚染や野鳥を観察』  朝日新聞 '96. 4.22

    アースデーの前日にあたる21日、「2001年・地球ウオッチングクラブ・にしのみや(EWC)」が、西宮市枝川町の甲子園浜で、生き物観察などを通じて環境を考える「アースデーイベント」を開催。小中学生やボランティア約200人が参加した。松阪龍起さんが足に釣り糸やひもがからまったハト3羽を子供たちに見せ、花見の場所取りに使われたひもが足に絡まる事を説明し、はさみで糸を切って子供たちの手でハトを逃がした。

  • 『小学生に野鳥保護訴え』  読売新聞 '96. 5. 9

    松阪龍起さんは6日、先月21日から甲子園浜の岩場で飛び立てずにいたセグロカモメを苦闘の末保護し、動物病院に運んだ。右の羽を骨折しているため、このカモメは今夏、日本で暮らすことになりそうだ。松阪さんは子供たちに野鳥保護を訴えたいと高須西小学校での講演を申し出て、2、3年生が聞いた。「何気なく人が捨てた糸のために鳥たちが苦しんでいます。このカモメもそれで傷ついたかもしれない」と話すと、子供たちも「かわいそう」「絶対ごみは捨てない」などと話し合っていた。

  • 『釣り糸ポイ捨て禁止』  読売新聞 '96. 9.26

    松阪龍起さんは地元西宮、芦屋市内の川や浜辺、公園などを回ってごみを拾い、怪我をした鳥を手当てしている。釣り人らのマナーは最近徐々に良くなってきたが、連休後には水辺は釣り糸だらけに。毎日のように足に糸をからめたハトやゴイサギなどが見つかる。松阪さんは「捨てた釣り糸が、どんな風に野鳥を苦しめているのか考えて」と話し、釣り人や遠足で水辺を訪れる小学生らにもポイ捨て防止を語りかける。

  • 『釣り糸絡まりサギ動けず』  読売新聞 '96.11.19

    17日、武庫川沿いをパトロール中の松阪さんが体調1メートルの釣り糸が絡まって衰弱しているアオサギを見つけて動物病院に入院させた。釣り針を飲み込んだ可能性もあるという。武庫川には1年中アオサギは姿をみせるが、普通は傷ついても人間が来ると水中に逃げるために治療できないという。(”トピックス”に写真があります)

  • 『保護のアオサギ、武庫川へ』  読売新聞 '96.12.14

    先月17日、釣り糸が絡まって動けなくなり松阪さんが保護したアオサギが回復し、13日、松阪さんが西宮市の武庫川で放した。保護当時は栄養失調で、片方の足でしか立てなかったが、最近になって歩けるまでに回復した。

  • 『リングつきユリカモメ、カムチャツカから飛来』  朝日新聞 '96.12.22

    右足に付いた赤いリングに「XM」という記号のあるユリカモメを、松阪さんが写真撮影した。日本鳥学会会員須川恒さんたちが、1990年から鳥類研究者に協力を求めて、これまでカムチャツカで生まれたヒナ計約850羽にリングを付けたものである。「XM」は94年に生まれた327羽のうちの一羽という意味。リング付きユリカモメの報告は今年初めて。

  • 『やめて!野鳥へのいたずら』  読売新聞 '96. 12. 22

    今年1月頃から武庫川、夙川下流でいたずらの被害を受けるユリカモメを松阪さんが確認しただけで十数羽。食パンの袋に付けるプラスチック製の留め具を脚に輪ゴムで縛り付けられているものや、羽全体を赤い塗料で染められたものなどもいた。いたずらされたユリカモメが近づくと仲間の鳥が逃げてしまい、群から離れていることが多いという。これらのいたずらは鳥類保護及び狩猟に関する法律違反となる。状況が続くようならば行政当局は取り締まりをする意向だ。

  • 『2年で立派な成鳥に』  朝日新聞 '97. 1. 13

    昨年12月22日の朝日新聞に掲載された右足に赤い「XM」という記号の付いたユリカモメ(松阪さんが撮影)が、震災直前の1995年1月16日に「兵庫野鳥の会」会員の西隆広さんが撮影していたことがわかった。西さんの自宅は震災で全壊し、撮ったカメラは3日後に掘り出したもの。2年で肌色だったくちばしや両足の色が赤くなり成鳥になったことがわかったという。日本には万単位のユリカモメが飛来するため、同じユリカモメを見つけるのは「宝くじを当てるより難しい」そうだ。

  • 『あなたの胸は痛みませんか?』  毎日新聞 '97. 2. 21

    武庫川河川敷で、胸に竹串が刺さったユリカモメを松阪さんが見つけた。見つけたのは17日午後3時半ごろ。飛び立ってはすぐ地上に降りてしまうので気づいたが、パンくずを与えても串が邪魔になって食べない。獣医の話では人間が背中から突き刺したとしか考えられないという。このユリカモメは18日以降姿が見えず、連日捜している。

  • 『胸に竹ぐし』  読売新聞 '97. 2.21

    17日午後3時頃、武庫川南部橋上流でユリカモメの群の撮影中に発見した。調理用のくしがユリカモメの胸から約5センチ突き出ており、パンをちぎって与えても食べられないほど弱っていた。人が近づくと川の中州まで飛んで逃げるので、捕まえて治療することも出来ないと言う。

  • 『胸に竹ぐしが刺さったユリカモメ』  毎日新聞 '97. 3. 31

    2月の「あなたのニュース写真」にて胸に竹串が刺さったユリカモメの写真がB賞を獲得した。写真のユリカモメは結局発見されなかった。

  • 『痛快!エブリデイ』  関西テレビ '97. 4. 4

    武庫川河川敷で桂雀々さんと野鳥の保護活動についてコミカルに対話した。桂雀々さんはハトが恐くて終始持つことが出来なかった。

  • 『多くの市民追悼に』  朝日新聞 '97. 5. 4

    生命を故意に傷つけるなんて、どんな精神の持ち主か。でも震災後、ボランティア活動が活発になり、以前より川岸がだいぶきれいになるなど光もみえます。温かい心が社会に育つことを期待しています。(松阪さんのコメント)

  • 『事件を風化させないで』  産経新聞 '97. 5. 4

    午前10時、朝日新聞阪神支局前には、小尻記者が取材した記事をきっかけに生まれた自然保護グループ「釣り糸から野鳥を守る会」の吉川会長らメンバー7人が集合。小尻記者の遺影に花束をささげたあと、武庫川で活動している松阪龍起さんが実際に武庫川河川敷で保護した釣り糸のからんだハト6、7羽をいっせいに空に放した。

  • 『動物の命大切に』  毎日新聞 '97. 6. 6

    西宮市甲子園浜で右の羽が折れ曲がったカモメが見つかり、松阪さんが保護した。岩場に捨てられた釣り糸に羽が絡まったことも考えられるという。羽は曲がったまま既に固まっており、飛ぶことは出来ないという。松阪さんは鳴尾北小学校を訪れ、子供達に「飛べないカモメ」を見せて、いのちの大切さを訴えた。

  • 『声・編集長から』  朝日新聞 '97. 7. 1

    足に洗濯ばさみをつけられたハトの写真付き投稿(17日)には、松阪さんから「現地へ行って外してやりたい」との電話がすぐに入りました。投稿主の明石市・秋岡一美さんに連絡をとって、急行していただきましたが、ハトは見つからなかったようです。「人間のいたずらが鳥たちを傷つけ、死なせています。残念でなりません」と松阪さんは嘆いておられました。

  • 『”冬の使者”到来』  毎日新聞 '97. 11. 1

    近畿地方は10月31日朝、今秋3番目の冷え込みを記録し、兵庫県南部は最低気温8.7度と平年(11.7度)を大きく下回った。武庫川河口には、シベリアで夏を過ごした”冬の使者”ユリカモメ約100羽が、寒気とともにに軟化する3000キロの旅を終え、今秋初めて姿を見せた(30日、西宮市の松阪龍起さん撮影)。

  • 『捨てた釣り針でユリカモメご難』  毎日新聞 '97. 11. 16

    西宮市の夙川河口で15日午前11時半頃、くちばしから釣り糸を垂らしたユリカモメ1羽を見つけた。釣り糸ごと飲み込んでのどにひっかかっているらしく、飲み込めないのかパンくずを与えたが吐き出してしまったという。保護しようと近寄ると群れについて飛び立ってしまった。



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