その他
EPS (Electroplasma System)
宇宙基地や船艦内部のエネルギーは、重水素核融合炉または正・反物質対消滅反応炉から得ている。ここで発生したプラズマはパワーコンジット (power transfer conduit)で各部署まで搬送され、そこから EPS tap(コンセントのようなもの)で電力に変換される。システム全体のエネルギー変換効率は、実に97%にもなる。ラ・フォージ少佐はさらに改良して97.2%にまで高めた ("Force of Nature" [TNG])。
ODN (Optical Data Network)
データ伝送は光ファイバーを使っている。転送速度は明らかにされていないが、この時代の取り扱いデータ量は膨大なので、それに見合うだけの速度は確保されているはず。メインコンピュータは亜空間フィールド内で作動するので、見かけ上超光速演算しているが、データ伝送は光速で行われるのが普通。一部には亜空間データリンク(超光速)も使用しているようである。
オメガ粒子 (Omega Molecule)
莫大なエネルギーを解放する究極の粒子。ビッグバンのエネルギー源とさえいわれる。自然にも僅かに存在するが、人工的に合成することもある程度は可能。しかし非常に不安定で爆発しやすく、ボーグですら安全な合成には成功していない。爆発すると周辺の亜空間を崩壊させるので、ワープが不可能になる。極めて危険なため、宇宙艦隊はその存在自体を最高機密に指定し、大佐以上の士官にしか知らされていない。破壊的なだけの粒子だと思われていたが、多数集まると自己組織化して、すばらしい“何か”に変貌する可能性があることがわかったが、それが何であるかは結局不明に終わった ("The Omega Directive" [VGR])。
ケディオンパルス (Phased Kedion Pulse)
Kedionは陽電子(positron)と共鳴する素粒子。データ少佐がボーグの手に落ちた時、ピカード艦長はデータの陽電子頭脳をリセットするために発生させた ("Descent" [TNG])。
ソリトンウェーブ (Soliton Wave)
特定の行き先に物資を運ぶのにも高価なワープ船を用いなければならないが、ソリトンウェーブは簡単な亜空間フィールド発生装置を備えていれば極めて効率の良いワープ航法を可能にするものである。Ja'Dar博士の開発したソリトンウェーブは一種の亜空間波であり、船はサーフィンをするように波に乗る。惑星上に照射装置を置き、船はライン上に亜空間フィールドを張って待てばよい。Enterprise-Dは実験に参加したが、部分的に成功したものの、次第にパワーが異常に高くなり制御不能となった。そこでピカード艦長は光子魚雷を波の先端に打ち込んで爆破させ、ソリトンウェーブのパワーを押し戻して事なきを得た ("New Ground" [TNG])。
【そもそもソリトンというのは "solitary wave"から出来た造語で「孤立した波」を意味する。かねてより非線形波動方程式の特殊な解として数学的な興味をもたれていたが、近年様々な物理現象に応用出来ることが明らかとなりブームとなった。ソリトンは狭い空間に発生した波が形を変えずに伝播し、ソリトン同士が衝突しても何事も無かったかのように互いに通り抜ける性質を持つ。水面の波の性質の研究から発展した】
超フェイズシールド (Metaphasic Shield)
フェレンギ人の Reyga博士が開発したもので、船体を低レベルの亜空間に沈めることにより強力なシールド効果を得ることが出来るというもの。実験段階であったが、以前からこの技術に興味を持っていたドクター・クラッシャー艦長代理はボーグの追跡をかわすために初めて実戦で使用した。Enterprise-Dは超フェイズシールドを張って恒星表面に潜り、反撃のチャンスをうかがった ("Descent" [TNG])。
デュラニウム (Duranium)
船体などに使われる非常に堅い安定な合金。連邦だけでなく、カーデシアやクリンゴンも利用している。この合金で作られた壁は十分に厚ければセンサーの探知を妨げる ("Captive Pursuit" [DS9])。シャトルの外壁はデュラニウム製なので、携帯用フェイザー(Type I, II)ではドアを焼き切ろうとすれば1時間以上かかるという ("Q-Less" [DS9)。
トライリチウム (Trilithium)
ダイリチウム結晶は、高エネルギープラズマにさらされるため少しずつ崩壊する。出来た燃えかすがトライリチウムである。これは極めて有害で爆発性に富むので、テロリストの標的になりやすい ("Starship Mine" [TNG])。ソラン博士によれば、トライリチウムは恒星の核融合反応を止める作用を持つという (ST7: Generations)。
トロン放射 (Thoron Emissions)
トロン(thoron)とは、通常希ガス元素ラドン(原子番号86)の同位体の一つ、ラドン220のことを指す。トリウム (thorium: 原子番号90)がα崩壊してできるが、トロン自体もα崩壊してポロニウム216になる。また、β線とγ線をも放射する極めて不安定な物質(半減期51.5秒)である。異星人の登場の際に検出されたり ("If Wishes Were Horses" [DS9])、センサー攪乱目的で使われたり ("Emissary" [DS9], "Basics" [VGR])、記憶エングラムを装った未知ウイルスを駆除するために用いられたり ("Flashback" [VGR])、意外に多くの場面で登場する。Star Trek: Encyclopediaによれば、エピソードに出てくる“トロン”は元素トロンと同じものらしい。しかし放射性元素はいくらでもあるのにトロンだけいつも登場するというのは不自然であるし、元素を特定してしまうとそこから出る放射線のエネルギー(波長)も決まってしまうのでエピソードの展開上大変具合が悪い。やはりトロン放射とは“特殊な放射線”くらいの意味と解釈しておくのが妥当と思われる。(なお「シンクロトロン放射」などの“トロン”は"tron"であって"thoron"ではない)
ナノプローブ (Nanoprobe)
ボーグが用いる微小ロボット。もとより連邦でも病気の治療のための微小ロボット(ミクロン単位のサイズ)は普段から使われているが、役目が終われば機能停止する ("Evolution" [TNG])。ボーグのナノプローブはその進化型で、生命体を同化させるための基本をなすもので、機能停止することはない。ボーグは同化する際、指に取り付けられた特殊な注射針からナノプローブを相手の血管に注入する。それらはまず最初に血球を攻撃し、その後あらゆる細胞を乗っ取ってボーグ仕様の細胞に変質させてゆく(赤血球が変質するのでボーグの肌は灰色になる)。コンピューターが内蔵されているので、プログラム変更によって多様な作業が可能。生命体8472のような、とてつもない敵ですら叩くことに成功したり ("Scorpion" [VGR])、条件付きながらも一度死んだ者を生き返らせたり ("Mortal Coil" [VGR])、究極の医療用ツールとも究極の兵器ともいえる。
バリオン除去 (Baryon Sweep)
バリオンとは陽子や中性子のような重い素粒子の事を言う。ワープが続くと、船体にバリオンが溜まってトラブルのもとになるため、時々掃除する必要がある。Enterprise-Dは他の船の2倍のワープ距離があるので、特に念入りに行う必要がある。船をドック入りさせた上、高周波プラズマビームでスキャンするように少しずつバリオンを除去する。このビームは人体に極めて有害で、触れると即死するので作業中は下船する必要がある ("Starship Mine" [TNG])。
ピカード戦術 (Picard Maneuver)
ピカード艦長が USS Stargazerの艦長時代、Maxiaの戦いでFerengiを相手に使った戦術 ("The Battle" [TNG])。この戦術を用いるには前提条件がある。まず、相手の亜空間センサーが使用不能か作動していない事、相手との距離が十分にある事である。ピカード艦長は、9,000,000Km(30光秒)離れた敵に対峙し、いきなりワープエンジンを作動させて敵の目の前に現れた。相手は亜空間センサーを使っていなかったので、見かけ上 Stargazerが2隻に見える。すかさずフェイザー攻撃をして敵を撃沈させた。もちろんこの戦術は宇宙艦隊アカデミーの教科書に載った。
ポーラロン (Polaron)
光子と同様、多量のエネルギーの搬送に適した素粒子。光に似ているが、ある種の極性を持っているため特殊な相互作用が期待され、センサービームとして好んで用いられる。可変種(ドミニオン創設者)に照射すると固形を保てなくなることがわかっているが、可変種以外にも害を及ぼす ("Apocalypse Rising" [DS9])。ドミニオンのジェムハダーは高エネルギーのポーラロン・ビーム (phased polaron beam)を武器として使用する。
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