バークレー裏物語A:
イントロンウイルス−ファーストコンタクト間
Written by 野呂博之
第3章(地球編)


  あらすじ

さて今後の展開(第3章)ですが、バークレー中尉はナチェフ提督の船に同乗して地球へ向います。サンフランシスコの宇宙艦隊本部に行き、医療本部長ドクター・ポラスキーに会ってさまざまな検査を受けます。しかしナチェフ提督がナカムラ提督に口添えしたので、検査はエンタープライズで行ったものとさほど変りませんでした。当然判定はシロで、審査委員会の裁定も問題なしで最終決定しました。

一方でホログラムドクターの開発は、担当者の不慮の事故により計画が大幅に遅れていました。ホロドクター開発の医療的責任者でもあるドクターポラスキーは、バークレーの活躍をナチェフ提督から聞いてホログラムのエキスパートであることを知ります。そんな折り、ホロドクターの開発エンジニアがドクターポラスキーに通信が入ります。このエンジニアは医療的知識が無く、一方のドクターもホログラムの知識が全く無い状態で、両者の話は一向にかみ合いませんでした。検査が終わって、ポラスキーに別れの挨拶に来たバークレーは、恐る恐る解決策を提示します。バークレーは医者ぎらいのために普段から医療データベースを頻繁に利用していたので、かなりの医療知識がありましたし、ラフォージから渡されたレポートからホログラムの問題点を十分に把握しましたので、かみ合わない両者の論点が理解でき、解決策を提案できたのです。そんな光景を目の当たりにしたドクターは、このホロドクター開発プロジェクトにバークレーを参加させる決心をし、艦隊上層部とピカード艦長を説得し、さらに出向期間が延長になります。

バークレーは木星に行ってホロドクター開発の総責任者であるジマーマン博士に会いますが、博士はバークレーを以前から知っていました。なぜなら、エンタープライズを出発する前にラフォージが技術レポートをバークレーに与えましたが、このレポートに答えたのはバークレーただ一人だったのです。その提案とはホログラムに自我を持たせるとう件で、まったく新しいアイデアが提案されていました。以前からモリアーティ教授が自我をもった件は研究されていましたが、おなじ環境を与えても奇跡を再現できずに、研究はそこで行き詰まっていました。

バークレーの提案とは、エンタープライズのコンピューターシステムは、ラフォージ少佐を中心に独自の改良がされており、情報処理系がコンピューターシステムというより、むしろ高等生命体の神経ネットに近いという一見突拍子もないアイデアを持ち出したのです。その根拠となるシステム変更点をレポートに上げていました。結局バークレーの仮説は正しかったのですが、理論が複雑すぎて理解できるエンジニアは、ほんの数名しかいませんでした。そのチーフエンジニアが殉職してしまったのです(ホログラムの消滅による圧死)から、計画がストップしていたのですが、バークレーは理論の提唱者ですので誰よりも適任者です。こうしてホログラム・ドクターの開発は再開されます。


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アイデア提供者:ライサの楽隠居さん、飼い猫スポットさん、DEJAQさん

資料提供者:ダンシングブレーヴさん(ナチェフ提督の船USS−Gorkon(NCC−40512.Excelsior級)、ガーゴイル大佐さん(バークレーの前任地アンバサダー級のU.S.S.ZHUKOV NCC-62136、フラン研さん(ゲイツ少尉)


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