トリコーダー




Tricorder sound (TOS)
Tricorder sound (TNG/DS9)

スタートレックに登場する数ある携帯用アイテムの中でも、現代の技術者や医師が最も欲しがるのはトリコーダー(トライコーダー, tricorder)であろう。

Enterprise等、艦隊の船には様々なセンサーが搭載されている。通常の電磁波や光はもちろん、重力波、タキオン波、亜空間変動まで探知出来る。センサーはメインデフレクターにある前方センサーが最も強力であるが、側面センサーもあり、数十光年遠方の事象でも容易に探知可能である。また、周回軌道上からならば惑星上のヘアピン一本でも探し出す事が出来る。

トリコーダーは、これらのセンサーを機能限定した携帯用小型探知装置である。探知範囲は数百m〜数Kmと思われる。

TOS時代は艦内ではあまり使用していなかったが、TNGからは多くのクルーが常に携帯し、機器の設定や修理、また不測の事態が発生した時の状況分析に即座に用いられるようになった。

TOS時代のトリコーダーは、上部に小さなディスプレーが付いている弁当箱のような形で、ヒモでたすき掛けにして肩から釣り下げていた。(これは格好悪かったと思う) TNG以降は折り畳み式の携帯電話型になり、ディスプレーは同じような大きさであるが、キー操作で複雑にモード切り替えが出来るように改良されている。画面上には必要に応じて数字やグラフ等が表示される。通常はジャンプスーツのポケットに入れておくようである。

トリコーダーには一般科学分析用(上の写真)と、医療用の2種類があり、医療用には取り外しが可能なプローブが付属する。このプローブを患部に近づけて異常を探知する。もちろんプローブを装着したままでも使うことが出来る。医療用トリコーダーは、生化学的分析はもちろん脳内の神経伝達物質の定量を含めた神経活動に至るまでモニターすることができ、ほとんどの体の状態を把握することが可能である。しかし頑固なドクター・マッコイは、「自分の目で見ないと安心出来ない」といって患者の喉の中をライトで見ていた ("The Man Trap" [TOS])。

内蔵センサーはトリコーダーの先端方向に指向性を持つので、周囲を探知するときにはディスプレーを見ながら回る。

電磁波などを受信するパッシブセンサーと、積極的に探知波を出すアクティブセンサーの両方が内蔵されているので、適切にプログラムすることにより未知の装置を遠隔操作 ("Final Mission" [TNG], "Attached" [TNG])したり、ホログラム画像を空間に再生する事も可能である ("The Chase" [TNG])。

意外なことに、亜空間物理学が盛んな24世紀のわりには、TNG初期のトリコーダーは亜空間を認識出来なかった ("The Bonding" [TNG])。また、ニュートリノの検知は不可能のようである ("The Enemy" [TNG])。しかしセンサーにかからない物質はEnterprise-Dの内部に1万5千以上もあるらしく、過信は禁物である ("Hollow Pursuits" [TNG])。

センサー機能とともに大容量の記憶容量を内蔵し、上陸調査活動等で得た膨大なデータを一時保管するのも主な利用目的の一つである。相手がコンピューターのようなものであれば、使用経験の無い機器であっても遠隔操作のまま内容を読み取って記憶させることが出来る (ST8:First Contact)。

また、トリコーダーに限った事ではないが、スタートレックに出てくるディスプレーはメインビューワー等を除くと小型で、文字が非常に小さい。どうも艦隊士官は目が良くなくては務まらないらしい。当然漢字などの複雑な文字は表示に適さない。

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