光子魚雷・量子魚雷・機雷






Launch a torpedoe
Torpedoe and explode

★ 光子魚雷

フェイザーは超光速では伝播しないし、標的までの途中に星間ガスやプラズマが充満している場合には効果が激減する。超光速飛行が可能な時代であるから、ワープ速度を出せる武器がなければ現実問題として防衛は不可能である。このような意味からも光子魚雷 (Photon Torpedoes)は決め手となる火器である。

原理は単純明快、正・反物質を混合してその質量をエネルギーに変換するだけの、最も理解しやすい武器である。問題は、いかに効率良く一気に混合するかという点にある。

通常は推進エンジンを持たず、艦内の巨大なレールガン(マスドライバー)で打ち出す。ある程度は機械的に押し出すようだが、最終的には重力波パルスで押し出される (ST 7)。それだけではワープ速度までは出せないが(光速の75%まで加速可能)、船がワープ速度を出しているときに打ち出すと、魚雷に内蔵されたワープフィールド維持装置により短時間ならばワープ速度を維持できる。【ワープエンジンの項を参照

最初に地球のワープ艦に装備されたのは 2153年、Enterpriseが地球に一時帰還して改装を受けた時である。この時代は "Photonic Torpedoes"と微妙に違う名で呼ばれていて、詳細は不明であるが、後の時代と同じく反物質を利用した魚雷であることは確かなようである。これ一発で小惑星に直径3キロの穴をあける能力があったという ("The Expanse" [ENT])。

以後改良が重ねられ、2215年のものは正・反の重水素が6つのケースに入れられ、それぞれが混じらないように電磁場で保持されており、目標に達すると一挙に混合するというものであった。

そして 2271年になると、1.5Kgの正・反重水素を、6つではなく数千のパケットに分けて入れられた。艦から発射されるとすぐに、それらのパケットが混ぜられる。しかしこの時点ではまだ爆発しない。数千のパケットの一つ一つに内臓された電磁場による安全装置により、対消滅反応は起きないのである。そして魚雷が目標に達すると、遠隔操作などによって電磁場が解除される。初期のものとは異なり、正・反物質の接触面積が格段に大きいために単位時間当りのエネルギー放出量は、USS Enterprise-Dのワープエンジンよりも大きい。しかも設定を変更することにより、爆発エネルギーを調節することも可能であった。

光子魚雷は武器として使用する以外に、搭載物を変えることにより、様々な用途に用いることが出来る(Mr. スポックの宇宙葬に使われたこともある。(ST 2))。

Enterprise-Dには円盤部に一門、戦闘部に2門発射装置がある。

なお、魚雷は 2.1m、重さは 247.5Kgである。一度に複数個を射出することが可能で、約 150m進んだ所で分裂する。

非常に強力な武器ではあるが、内臓反物質の量から推察される総放出エネルギーは現代の大型水爆程度である。ただ、水爆より反応速度が桁違いに速いため、エネルギーの時間密度は極めて高い。地上に着弾すればこれ一発で大都市がいくつも壊滅するほどの威力を持つが、広大な宇宙空間でしかもシールドを装備した宇宙艦とやりあうには何発も命中させる必要がある。
★ 量子魚雷

ボーグという強大な敵が存在し、連邦宇宙域に迫りつつあるという報告をピカード艦長から受けた宇宙艦隊は、即座に対ボーグ用の新兵器の開発に着手した ("Q Who" [TNG], "The Best of Both Worlds" [TNG])。その開発はボーグによる最初の地球侵攻には間に合わなかったが ("The Best of Both Worlds" [TNG])、その後の兵器装備を大きく変えた。その代表格が“量子魚雷 (Quantum Torpedoes)”である。構造など詳細は不明だが、原理は「真空のエネルギー」を解放するものらしい(補足解説を参照)。

USS DefiantUSS Enterprise-Eなどのような戦闘を主目的とした一部の艦には搭載されているが、標準装備にはなっていないようである(USS Voyagerには搭載されていない)。実際の戦闘においても、ボーグやドミニオン以外にはこの量子魚雷が第一選択として用いられることはなく、現代に置き換えれば、光子魚雷が通常の戦術ミサイルとすれば量子魚雷は戦術核ミサイルというところだろうか。

この兵器の破壊力は桁外れに凄まじく、数十発もあれば惑星の地殻を充分に破壊して死の惑星にすることができるという ("The Die Is Cast" [DS9], "Broken Link" [DS9])。その気になれば、戦艦一隻で惑星を破壊できることになる。もしこれを隣国との境界に大量に配備すれば、相手を刺激することは確実だろう。


★ 機雷

空気のない宇宙空間では爆風が発生しない。よって、光子魚雷やミサイルなどは爆発時に出る放射線や熱線によって直接敵艦の船体に穴を開けるしかない。しかし相手は当然シールドを上げているため、ほとんど直撃または至近距離での爆発でないと意味がない。その点機雷 (mines)は、個々の爆発力は弱いものの、不意を付かれて爆発することが多いので、戦術的には極めて有効である。とはいえ、何の工夫も無く宇宙空間に敷設したのでは、容易にその位置が敵に知られて掃海されてしまう。

機雷(反物質機雷)は静かに敷設して用いるので光子魚雷のように頑丈な容器は不要で、小型で小さな爆発力のものでよいため、レプリケーターで大量に作ることができる。しかし敷設するにあたっては察知されないような工夫が必要である。機雷はTNGで一度用いられているが、この時ジェリコ艦長が立案した作戦は見事なものであった。センサーが攪乱される星雲内でカーデシア艦隊と睨み合っていた時、彼は磁気センサーを内蔵した機雷をシャトルでばらまいたのである。機雷は敵艦から漏れ出るわずかな磁気を探知しながら、磁石に吸い寄せられるように艦に貼り付いていった。実際にはそのうちの一部を遠隔操作で爆発させただけで、不意を突かれたカーデシア側は降参した ("Chain of Command" [TNG])。

しかし普通の宇宙空間で機雷を敷設するのはやはり非現実的だが、個々の機雷に遮蔽装置を装備するとなれば話は別である。クリンゴンがDS9の周辺宙域に遮蔽機雷を大量に敷設していたことが発覚したのだが(このような小賢しいやり方はクリンゴンらしからぬが)、発覚した発端はクリンゴン自身の戦艦が誤って遮蔽機雷に半壊させられるという不名誉な出来事からであった ("The Sons of Mogh" [DS9])。油断しているシールドを上げていない艦にダメージを与えるのはたやすい。

連邦は遮蔽装置のテクノロジーは持っているので、作ること自体は簡単なのだが、実戦で用いることはできない(アルジェオン条約によれば開発自体も禁止されているのだが‥‥)。しかし相手がドミニオンとなるとそうも言っておられず、例外的に使用されている。DS9では、戦争に備えてワームホールの出口を塞ぐようなかたちで遮蔽機雷を敷設した ("A Call To Arms" [DS9])(日本語版では「地雷」と誤訳されていた)。ドミニオンは遮蔽を不鮮明ながらも見破る技術を持っているが、ワームホールの出口付近に大量に敷設されれば避けようがなく、また個々の大きさを1メートル四方以内に抑えるなどの工夫をしてさらに探知されにくくしている。大きさの制約からくる爆発力不足は、数十個の機雷が連動爆発するように設定することによって補われた。爆発で数が減少した機雷を補充するため、機雷自身にレプリケーターを装備していた。しかし、カーデシアに占領されたDS9から発射された反重力ビーム (antigraviton beam)によって連結が切り離され、複製機能も停止して全滅した ("Behind the Lines" [DS9])。

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